平戸藩の正史である松浦家家世伝は平戸松浦家第30代松浦棟が原稿を起こし、第34代松浦清が編集し、第35代松浦熈が校訂したものである。
家世伝編纂(へんさん)の際に一族・家臣をはじめ社寺・庶民に至るまで系図、記録文書などを集めており、大曲記・印山記・深江記・日記類も引用書として重要な位置を占めている。
また、平戸の城下より見て田舎(地方)の古い墓や古城址・神社・仏閣を現地調査し、金石文・仏像・神像の記事を記録している。「田舎廻」がそれであり、これらによって家世伝の記載が地道な調査に基づいた正史であることがわかる。
家世伝は五十六巻である。
巻の一
統系(系図)
巻の二〜巻の二十七
本伝(始祖 左相公 融より27代 泰岳公 久信まで)
巻の二十八
夫人伝(上記の夫人伝)
巻の二十九〜巻の五十六
公族伝(始祖 左相公 融以降の支族)
(澤 正明氏 松浦旧記の考察より抜粋)