松浦隆信(道可)一代のことを記録した本です。
隆信は慶長4年(1599)に没しており、道号を「印山」とし、勝尾獄にあった館を「印山寺」と改めました。その時の開基の縁起として印山寺の僧が書いたものが「印山記」です。
そのため隆信にとって不利なことは書かれておらず、年号などの間違いも多く資料性にに乏しいと指摘される一面もありますが、貴重な歴史文献には違いはありません。
印山記は写本が各地の寺院などに数多く残され平戸松浦藩では郷土の戦国史を教える際の教本として使っていたのではないかと思われます。
(澤 正明氏 松浦旧記の考察より抜粋)
佐世保の戦国史を勉強する取っ掛かりとしては打ってつけの書物で、日頃目にしている野山を舞台に我々の先祖達が活躍する物語は否応にも引き込まれてしまいます。私の郷土史の探求もこの書物から始まりました。