正式には「深江記並びに一説」がその書名です。
深江記は大曲記などを参考にして書かれていると考えられますが大曲記に比べて簡潔に書かれていて読みやすいです。
大曲記などで書かれた歴史に加え、違う説も書き加えられ、著者の探求心が見て取れます。
印山記も参考にしていたとみえ、印山記が記す年号の間違えを正している箇所があります。
目次を立てなかったことは他人に読んでもらうために書いたものではなく、「家記」として書かれたためだと思われます。
平戸松浦家家臣の深江右原太昌温が所蔵していた記録から、著者はその先祖であると考えられますが、明確にはされていません。
深江記が書かれた年代ははっきりとはしていませんが、江戸時代初期の1670年前後かと言われています。
(澤 正明氏 松浦旧記の考察より抜粋)